上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

皆さま

2017年6月7日に以下の要望書を提出しました。
当事者の声を聞かず十分な審議をしないまま採決するのは納得できません!

******

2017年6月7日

衆議院法務委員会委員長 鈴木淳司 様
参議院法務委員会委員長 秋野公造 様

当事者の声を反映した刑法性犯罪の改正を求めます

性暴力禁止法をつくろうネットワーク

皆様の女性に対する暴力根絶及び被害者支援に対するご尽力に深く感謝申し上げます。
「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」は、被害者、支援者、弁護士、研究者など様々な立場から性暴力に関する包括的な法整備を求めて10年以上活動してきた全国組織です。
この6月7日にも刑法性犯罪の改正案を採決するとの報道に接し、大変驚愕しております。
今回の改正案では、未成年や18歳未満の、近親者から被害にあっても逃げられない被害者が救済され、これまで声を上げられなかった男性・セクシュアルマイノリティの被害が正当に取り扱われるようになります。何としても早期改正が望まれています。

しかし、一方で、今回の改正案には、暴行脅迫要件、配偶者間の強姦についての明文化、性交同意年齢の引き上げ、公訴時効の撤廃もしくは停止、地位・関係性を利用した性行為の処罰規定の対象の拡大など重要でありながら盛り込まれなかった事項がたくさんあります。

やっとのことで警察に訴えても被害者として認められず、さらに二次被害によって、苦痛に満ちた生活を送ることを余儀なくされる性犯罪・性暴力被害者が少しずつ声を上げ始めています。改正の審議にあたっては、このような被害当事者の声に国会議員が直接耳を傾け、被害実態に即した改正を実現する必要があります。

110年も顧みられてこなかった刑法抜本改正について、形ばかりの審議で終わらせてしまうのは全く納得できません。

今次改正案は「魂の殺人」と言われる性犯罪・性暴力被害者を一刻も早く救済し、悪質な加害者を野放しにしないためには、まだ不十分な点が多くあります。
当事者の声を反映した改正の実現こそが望まれています。
 実行ある性暴力被害の実態に即した改正を実現するために、当事者の声を直接聞き、十分に審議を重ねることを強く要望します。

スポンサーサイト

【2017/06/07 10:02】 | 声明・提言
トラックバック(0) |
2017年5月29日に以下の緊急声明を発表しました。


刑法性犯罪の早期改正実現に向けた緊急声明

与党の合意により組織犯罪処罰法改正案の審議が刑法性犯罪の改正案の審議より先行されたことにより、
今国会期間中での刑法性犯罪の改正実現が危ぶまれる事態となりました。

私たちは、性犯罪・性暴力被害者の人権が軽視されたともいえるこの事態に対して、深い憤りを感じています。

今回の改正案では、親告罪の撤廃と監護者わいせつ罪、監護者性交等罪の新設により、
未成年や18歳未満の、近親者から被害にあっても逃げられない被害者が救済されます。

また、被害者や加害者の性差をなくし、肛門性交や口腔性交を膣性交と同等に扱う強制性交等罪にすることで、
これまで声を上げられなかった男性・セクシュアルマイノリティの被害が正当に取り扱われるようになります。

刑法性犯罪改正が遅れることで、このような被害者が放置されたままにされることは決して許されません。

一方で、今回の改正案には、

・強姦罪の暴行・脅迫要件の緩和
・配偶者間の強姦についての明文化、性交同意年齢の引き上げ
・公訴時効の撤廃もしくは停止
・地位・関係性を利用した性行為の処罰規定の対象の拡大 など

重要でありながら盛り込まれなかった事項がたくさんあります。

中でも暴行・脅迫要件は、これによって、
やっとのことで警察に訴えても被害者として認められず、さらに二次被害によって、
苦痛に満ちた生活を送ることを余儀なくされる性犯罪・性暴力被害者を増やす大きな要因となっており、
何としても見直す必要があります。

私たちは「魂の殺人」と言われる性犯罪・性暴力被害者を一刻も早く救済し、
悪質な加害者を野放しにしないために、今国会における刑法性犯罪の改正実現に向けて、
審議を開始すること、また、審議にあたっては、当事者の声に耳を傾け、
改正案に盛り込まれなかった論点も含めて十分に議論することを強く求めます。

性暴力禁止法をつくろうネットワーク


皆さま

現在、刑法性犯罪の改正案が衆参両院の法務委員会で審議されようとしていますが
いわゆる共謀罪を先に審議するという話が出ていて、
今国会での刑法性犯罪改正が危うい状況になってきました。

そこで性暴力禁止法をつくろうネットワークでは、3月27日に
法務委員会の理事、女性議員を中心に以下のような要望書を持ってまわりました。

明治刑法制定以来、110年大幅な改正が実現してこなかった
刑法性犯罪の改正を今国会で実現させましょう!

******
衆議院議員 各位
参議院議員 各位

刑法性犯罪の改正実現に向けた要望書

                性暴力禁止法をつくろうネットワーク

皆様の女性に対する暴力根絶及び被害者支援に対するご尽力に深く感謝申し上げます。
「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」は、被害者、支援者、弁護士、研究者など様々な立場から性暴力に関する包括的な法整備を求めて活動している全国組織です。
平成29年3月7日に、政府は刑法性犯罪の改正案を閣議決定しました。改正案が今国会で成立すれば、明治時代の制定以来100年以上大幅に変わることがなかった刑法性犯罪の改正が実現されると私たちは大きな期待を抱いております。
しかし、報道によれば衆参両院法務委員会において、刑法性犯罪の改正案の審議が組織犯罪処罰法改正案の審議の後になる可能性もあることを知りました。審議の状況によっては今国会期間中に刑法性犯罪の改正案の審議が行われないまま継続審議になってしまうのではないかと大きな危機感を抱いております。
私たちは、全国の性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどの支援の現場で、日々、性犯罪・性暴力被害者の相談を受け続けております。刑法性犯罪の改正は一刻を争う事案なのです。
国会議員の皆さまには、「魂の殺人」と言われる深刻な被害を受け、やっとのことで警察に訴えても被害者として認められず、さらに二次被害によって、苦痛に満ちた生活を送ることを余儀なくされる被害者を一人でも救えるように、今国会における刑法性犯罪の改正実現に向けて、ご尽力をお願い申し上げます。以下、要望いたします。

           記

1.刑法性犯罪改正の審議を組織犯罪処罰法改正案より先行させ、今国会において刑法性犯罪改正を実現すること。

以上

【2017/03/29 23:39】 | 声明・提言
トラックバック(0) |
皆さま

日弁連が刑法性犯罪改正に一部反対する意見書を採択したことに対し
抗議声明を11月2日(水)に提出しました。

賛同57団体の名前の入った抗議声明の全文は下に貼り付けますのでご参照ください。

日弁連の意見書に対して同じように抗議の要望書、質問書を作成された
性暴力と刑法を考える当事者の会
SIAb.(Survivors of Incestuous Abuse/通称:シアブ、
近親姦虐待被害に特化したピアサポートグループ)
の2団体と一緒に面談してきましたので以下にご報告します。

+++++
【日時】11月2日(水)13時~14時過ぎ

【会場】弁護士会館

【日弁連の対応者】
副会長 山口健一氏
事務次長 神田安積氏

【出席者】
性暴力禁止法をつくろうネットワーク
  共同代表 周藤由美子
  会員 角田由紀子弁護士(法制審議会委員)
性暴力と刑法を考える当事者の会
  代表 山本潤さん
  サポーター 湯前知子さん
SIAb.けいこさん

冒頭に抗議声明、要望書、質問書などを提出し、
趣旨説明の後に意見交換を行いました。

性暴力禁止法ネットからは

6月にも要望書を提出していたにも関わらず
意見書が採択されたことに全国の当事者や支援者たちは
大きなショックを受けた。

抗議声明の呼びかけには前回の要望書の賛同41団体を
大幅に超える57団体が集まり、全国の女性たちが憤りを感じている。

法制審議会で刑法を変えることに保守的だろうと思われた学者を始め
ほとんど全員が改正に賛成したことで時代の変化を感じたけれど
唯一日弁連だけが反対しているということがいかにおかしいことか、認識してほしい。

というようなことを伝えました。

当事者の会、SIAb.けいこさんは、ご自身の体験から
肛門性交や口腔性交が膣性交と比較して深刻度に違いはないことや
13歳以上で性交の意味について理解できる状況にはないこと、
近親姦で真摯な合意はあり得ないこと、などを訴えられました。

お二人は法制審議会のヒアリングでもお話しされていて
日弁連の理事会もヒアリングの議事録は読んでいたようですが
直接、顔を見て生の声で話を聞く機会になったことが
非常に意味のあることだったと思います。

逆に言えば、当事者の生の声を聞かずに、
実態を全く知らないまま意見書を採択してしまった
日弁連の姿勢に大きな問題があるということが言えます。

また、当事者の会の山本さんは、「日弁連の意見書が出されたこと自体が
被害者にとって二次被害である」と訴えられました。

日弁連は意見書について6回も理事会で検討したそうですが
被害者への二次被害という観点で検討したことはなかったそうです。

「意見書を出さない」という選択肢もあったのになぜそうまでして
出さないといけなかったのか納得のいく説明は聞けませんでした。

日弁連の山口健一副会長は「ご意見を参考にします」というだけで
意見書の撤回などは考えられないということでした。

その後、15時15分から記者発表を行いました。

毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、時事通信、NHK、日本テレビ放送、TV朝日、赤旗などの
記者が参加し、赤旗には11月3日に大きく報道されました。

++++++

100年以上変わらなかった刑法性犯罪の改正を実現するためには
今後、議論の場となる国会でこの問題への認識を高めていく必要があります。

今回の抗議の経緯を関係する議員などに情報提供していく予定です。
皆さまも、是非、この情報を拡散していただければと思います。

【抗議声明全文】

日本弁護士連合会会長                    2016年11月2日
中本 和洋 様

貴会「性犯罪の罰則整備に関する意見書」への抗議声明

性暴力禁止法をつくろうネットワーク
共同代表 戒能民江、周藤由美子

日頃から女性に対する暴力の根絶のためにご尽力いただきありがとうございます。

「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」は、被害者、支援者、弁護士、研究者など様々な立場から性暴力に関する包括的な法整備を求めて活動している全国組織です。

私たちは平成28年6月29日に貴会に対し、性暴力被害の実態に即した刑法強姦罪等の見直しの実現に向けてご尽力いただくよう要望書を送付いたしました。この要望書には全国41団体が賛同を表明しています。刑法性犯罪の見直しを検討していた法制審議会刑事法部会において、刑事弁護の立場から貴会を代表して参加されていた委員が、一貫して今回の見直しに反対の立場を強く打ち出されていたからです。

9月12日には法制審議会の総会において、刑法性犯罪の改正要綱(骨子)が承認され、法相に答申されました。今後は国会において改正に向けた審議が進められることになりました。私たちは、今回の改正案よりも更に被害実態に即した改正を要望しておりましたが、不十分とはいえ、少しでも改正が実現されることに大きな期待を抱いております。

しかし、貴会が9月15に要綱(骨子)の一部に反対する「性犯罪の罰則整備に関する意見書」を取りまとめ、9月27日に法務大臣、衆参両議院議長、衆参法務委員会理事・委員及び各政党宛てに提出されたことを知り、私たちは大きな衝撃と失望を味わいました。そして、今後、貴会が、国会において改正案が成立することに反対の立場からの働きかけを継続されることに強い危惧を抱いております。

よって私たちは貴会の意見書に対して強く抗議します。以下にその趣旨をまとめます。

                        記

1 、強姦の罪(刑法第177条)の改正について、肛門性交や口腔性交について法定刑を現行刑法第177条と同様懲役3年に止めるべきという意見に反対する。

今回の刑法性犯罪の見直しにあたって、被害者と加害者について性差のないものとされたことは画期的である。男性やセクシュアルマイノリティが深刻な被害にあったとしても、これまでは強制わいせつ罪でしか扱われなかったからである。しかし、貴会の意見では、依然として、性犯罪における性差を容認するものといえる。

肛門性交や口腔性交の被害の深刻さについては、第6回(5月25日)の法制審議会で行われたヒアリングにおける、被害当事者の山本潤さんの発言でも明らかである。「私たちから見えるのは、ひょう変して襲いかかってきた相手の顔つき、顔にかかる生臭い息、押さえ付けられて動けない体、自分の運命が突然予測不可能な状態に陥ってしまった恐怖です。それは人間ではない、『モノ』として扱われる恐怖です」(法務省HPより)と述べている。肛門性交も口腔性交も「人間としてではなく、性的な『モノ』として扱われる」という意味では同程度の恐怖を受けるものといえる。

ワンストップ支援センター・性暴力救援センターへの相談事例においても、肛門性交は苦痛を伴い、重篤な病気につながっている実態がある。膣性交については同意していたが、肛門性交については嫌だったと訴えるケースも少なくない。肛門性交によって性感染症やヘルペスなど重篤な病気に感染し、入院している人からの訴えも受けている。

また、口腔性交の被害によって、モノが食べられなくなる、口が開けられなくなるなどの後遺症が起こり、日常生活が著しく困難になっている被害者は少なくない。口腔性交の被害によって、深刻な後遺症に悩まされても、強姦罪が膣性交に限定されているために「強姦されていないのだからそれほど深刻な被害ではないはずなのに、なぜ自分は立ち直れないのだろう」と自分を責めている被害者もいる。また、ある例では、加害者から膣性交か口腔性交かどちらか選べと脅されて、口腔性交は絶対嫌だからやむなく膣性交と答えた、という例もある。それほど口腔性交が被害者にとっては苦痛を伴い、何としても避けたい行為であることも現実なのである。最近の産婦人科医療の現場では、妊娠させることを避けて、口腔性交をさせる例も少なくなく、それが原因での口腔内の性感染症が広がっているという実態がある。

侵襲性という意味で膣性交と肛門性交、口腔性交が著しく異なるとは言えず、膣性交における妊娠の危険については、被害によって望まない妊娠をしてしまった場合には、より悪質な被害であると考えるべきである。

法定刑の下限の引き上げについては、強姦罪の下限が強盗罪の下限よりも低いことに対する違和感が大きいことが、見直しの議論では指摘されていた。そのことから、肛門性交や口腔性交の下限を3年のままにするということは、これらの被害が強盗の被害よりも軽いと考えることになり、やはり納得できない。

2  監護者であることによる影響力があることに乗じたわいせつな行為又は性交等に係る罪の新設について、被監護者の意思に反する行為のみを処罰対象とするべきという意見に反対する。

貴会の意見のように規定されれば、監護者が被監護者の「意思に反していたと思わなかった」と主張すれば、この罪に該当しなくなる可能性がある。監護者と被監護者は圧倒的な力関係があるので、意思に反しているということを表明できないことは当然といえる。

先述の山本潤さんは、父親からの性的虐待を受けることがどのようなことなのか、次のように語っている。「話したらひどい目にあうよ、家族がバラバラになるよと脅す加害者もいますが、私の加害者はそうではありませんでした。私に起こったことは、黙って入ってきて、黙って触られ、これから何が始まるのかも、何が起こっているかも、理解できない、混乱する経験でした。怖い気持ちが強すぎて、私は抵抗することもできませんでした」「強要されているという事は、選択の権利がないということです。私は彼を押しのけて、叩きのめして、家から追い出してやりたかった。でも、それはできなかった。(中略)ささいな強要でも、抵抗できなくさせることが加害者には可能です。加害者の影響はすごく大きいと理解してほしいのです」 監護者による影響力とは、まさしくこのように大きく、被監護者が監護者に意思に反していると表明することは困難である。そして、その状況を利用して監護者が被監護者の意思に反していたと気づかなかったと主張することは十分考えられるのである。

ヒアリングに参加した1人であるSIAb.の進藤さんは自身の経験について次のように述べている(前掲のHPより。SIAb.は近親姦虐待の被害当事者(以下、当事者と略称)が主体となって、近親姦虐待被害に特化したピアサポートを、2013 年4 月の発足以来行っている)。「私は誰かに気付いて助け出してほしい気持ちと同時に、世間にばれることで、私や家族がその先どうなるかが不安で、怖くて誰にも言えなかったのです」「母は、自分が子供の時代に持てなかった家族を作り上げ、必死で守ろうとしました。そのために、姉や私に我慢してほしいと頭を下げました」「なぜみんな苦しんでいるのに口を閉ざしたのでしょう?行く先が見えないからです。恥だからです」またSIAb.の参加者2人の例から「子供は助けを求めたり、何らかのサインを発信していて、しかし、それをキャッチしたり、安全に介入できるような知識や経験のある人たちに繋がれなければ、見過ごされ、状態を悪化させ、諦めてしまう」とも述べている。被監護者が監護者の影響力から逃れることがいかに困難であるかがわかる。

性的虐待の加害者は、暴力や脅迫によって被害者に加害行為をする場合もあるが、グルーミングと言われる優しく手なずけるような態度で接することも多い。加害者から「お前が可愛いからやるのだ」「誰でもこういうことをしている」と言われ、受けている行為の意味がわからない場合もある。拒否すると加害者が不機嫌になったり、他の家族に対して暴力をふるう場合に、加害者の機嫌を取ったり、他の家族を守るために、被害者が自ら性関係をもとうとする場合もある。こうした場合に一見「合意」の上で性関係が行われているように見えたとしても、決して「真の合意による性交」とは言えないのである。

法制審議会において、「家族や先生から嫌われたくなかったという、任意の意思に基づいている」「居場所を作るためにそういう関係に積極的に入っていくこともあり得る」などという例示がなされていたが、「嫌われたくないためには性関係に応じざるを得ない状況」や「そうまでして居場所を作らなければならなかった状況」があったということである。「性関係に応じなくても家族や先生に嫌われることはない」「性関係に応じなくても居場所はある」という状況でなければ「真の合意による性交」とは言えない。

監護者に対して被監護者が積極的に関係を迫って監護者が応じてしまった場合も罰せられるのかという議論もなされていたが、実際は被監護者が逆らえない状況であったとしても、「被監護者が積極的に関係を迫った」と主張する監護者は多く、支配関係の中で被監護者が積極的に関係を迫ったかのように見える行動を取らざるを得ない状況も現実にある。いずれにしても監護者との性関係によって被監護者は自分自身を性的な価値しかないと思わされて自己尊重感を損なわれてしまったり、安全で対等な対人関係を学習することができず、その後の人生に大きな困難を生じさせてしまうのである。このような現実において、監護者の行為が重大な人権侵害であり社会としても許されない行為であることを明確に示す意義は大きい。

ちなみに貴会の意見書において「13歳以上の者は性交の意味を理解することが可能である」ともあるが、私たちは暴行又は脅迫を手段としない場合にも強姦罪が成立する年齢を、中学卒業程度まで引き上げるべきであると考える。「真の合意」や「性交の意味や結果」についてきちんと理解できるような教育は現行の制度では行われていないことも付言しておきたい。

さらに、被害者が同意していなかったことに加害者が気づかなかったので準強姦罪が成立しないとして無罪判決が出された、当時高校生に対してゴルフの指導者だったゴルフ場経営者の例もある。私たちは、監護者による処罰規定だけでは対象が狭く、教師と生徒、上司と部下なども地位関係性を利用した性犯罪の類型に含めるべきであると考えている。

以上

【賛同57団体】フェミニストセラピィ”なかま”/NPO法人博多ウィメンズカウンセリング/NPO法人SEAN(シーン)/すぺーすアライズ/NPO法人フェミニストカウンセリング東京/世界女性会議岡山連絡会/ジェンダーと制度研究会/地域支援ネット そよ風/ウイメンズカウンセリングじょうえつ/NPO法人 Safety First静岡/北海道ウイメンズ・ユニオン/北京JAC(世界女性会議ロビイングネットワーク)/ウィメンズカウンセリング富山/W・Sひょうご/NPO法人フェミニストカウンセリング神戸/認定NPO法人 ウイメンズハウスとちぎ/女性共同法律事務所/NPO法人性暴力救援センター・東京(SARC東京)/女のサポートライン/性暴力を許さない女の会/セクシャルハラスメントと斗う労働組合ぱあぷる/ウィメンズカウンセリング京都/ふぇみん大阪/ポルノ被害と性暴力を考える会/NPO法人 男女平等参画推進みなと/NPO法人 サバイバルネット・ライフ/NPO法人アーシャ/パープル・ユニオン/女性と人権全国ネットワーク/NPO法人全国女性シェルターネット/NPO法人 女性の安全と健康のための支援教育センター/フェミニストカウンセリング堺/NPO法人さんかくナビ/NPO法人 女のスペース・ながおか/NPO法人 新潟フェミニストカウンセリングセンターまど/公益法人財団 名古屋YWCA(ウィメンズカウンセリング名古屋YWCA)/NPO法人アウンジャ/JAWW(日本女性監視機構)/(社)女性相談ネット埼玉/女性と子どものいのちを守るぐんま支援センター/NPO法人ひこばえ/NPO法人 ハーティ仙台/ふぇみん婦人民主クラブ/NPO法人スクール・セクシュアル・ハラスメント防止関東ネットワーク/NPO法人女性ネットSaya-Saya/NPO法人 アジア女性資料センター/さくらんぼ女性サポートルーム/NPO法人ホッとるーむふくやま/NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ/クオータ制の実現をめざす会/AWS・ムーンストーン/かけこみ女性センターあいち/NPO法人 レジリエンス/ちゃぶ台返し女子アクション/NPO法人なら人権情報センター/女性首長を実現をする会 愛知/S・ぱ~ぷるリボン/あいたた倶楽部

【2016/11/07 09:37】 | 声明・提言
トラックバック(0) |
皆さま

日本弁護士連合会に以下の要望書を送付しました。
41団体が賛同してくださいました。
賛同団体は末尾にありますのでご参照ください。
刑法強姦罪の改正実現に向け引き続きご協力よろしくお願いします。

性暴力禁止法をつくろうネットワーク

*****

2016年6月29日

日本弁護士連合会会長
中本 和洋 様

被害の実態に即した刑法強姦罪の見直しに向けた要望書


日頃から女性に対する暴力の根絶のためにご尽力いただきありがとうございます。
「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」は、被害者、支援者、弁護士、研究者など様々な立場から性暴力に関する包括的な法整備を求めて活動している全国組織です。
平成28年6月16日の法制審議会刑事法部会において、刑法強姦罪等改正の要綱案がまとめられたことが発表されました。今後は9月の法制審議会総会を経て、来年の通常国会に改正案を提出する方向とのことです。改正案の要綱は、必ずしも性犯罪・性暴力被害者、支援者の声を十分に反映したものとは言えませんが、不十分な内容であっても、100年以上改正されてこなかった刑法強姦罪等の見直しが実現されることは、私たちにとって大きな希望です。
しかし、私たちは、貴会が刑法強姦罪等の見直しに対して反対の立場を取られるのではないかと危惧しています。貴会を代表して法制審議会の委員をしている2名の委員のうち、1名は被害者支援の立場から発言されていますが、1名は刑事弁護の立場から今回の見直しに反対の立場を強く打ち出しているからです。
後者の委員が、冤罪を重大な人権侵害ということで、人権擁護の立場から発言されている趣旨は理解できますが、最近の性暴力被害者の支援現場では、被害者が警察に被害申告したとしても、性交されたことや抵抗したという客観的な証拠がなければほとんど事件化されない現実があります。捜査機関の適切な捜査によって冤罪を防ぐことが重要であることは言うまでもありませんが、法改正を必要以上に冤罪と結びつけることは、性犯罪・性暴力の被害の現実を無視し、いたずらに改正に反対するものです。
弁護士の立場からは、刑事手続きにおいて被疑者・被告人の人権を守るという役割があることは理解していますが、一方で被害者の権利を擁護するのも弁護士の大切な役割の一つではないでしょうか。被害者の状況を加害者に理解させ、反省や更生につなげるのも重要な役割と考えます。全国的な組織である貴会が全国の性暴力被害者、支援者などの信頼を失うことのないよう、公正な立場を貫いていただくことを望みます。
私たちは、以下のように、法改正が必要であると考えています。貴会におかれましても、性暴力被害の実態に即した刑法強姦罪等の見直しの実現に向けて、ご尽力いただきますよう要望いたします。

                 記

1 強姦罪に性交類似行為として肛門性交や口淫行為も含めるべきである

第5回(5月25日)の法制審議会においてヒアリングが行われたが、そのうちの一人である山本潤さんは性暴力について被害当事者の立場から「私たちから見えるのは、豹変して襲い掛かってきた相手の顔つき、顔にかかる生臭い息、押さえつけられて動かないからだ、突然、自分の運命が予測不可能な状態に置かれてしまった恐怖です。それは人間ではない、モノとして扱われる恐怖です。(中略)そういった、人間を性的なモノとして扱うということを(中略)構成要件に入れる必要があるのではないでしょうか」(「性暴力と刑法を考える当事者の会」のHP「活動報告」掲載のヒアリング原稿及び資料より。以下、山本さんの発言はこのHPより引用)と述べている。肛門性交も口淫行為も「性的なモノとして扱われる」という意味では同程度の恐怖を受けるものといえる。
口淫行為の被害によって、モノが食べられなくなる、口が開けられなくなるなどの後遺症が起こり、日常生活が著しく困難になっている被害者は少なくない。口淫行為の被害によって、深刻な後遺症に悩まされても、強姦罪が膣性交に限定されているために「強姦されていないのだからそれほど深刻な被害ではないはずなのに、なぜ自分は立ち直れないのだろう」と自分を責めている被害者もいる。また、ある例では、加害者から膣性交か口淫行為かどちらか選べと脅されて、口淫行為は絶対嫌だからやむなく膣性交と答えた、という例もある。それほど口淫行為が被害者にとっては苦痛を伴い、何としても避けたい行為であることも現実なのである。
最近の産婦人科医療の現場では、妊娠させることを避けて、口淫行為をさせる例も少なくなく、それが原因での口腔内の性感染症が広がっているという実態がある。口淫行為の強要は膣性交や肛門性交と同様の被害の深刻度があり、仮に後者が低いと考えているとしたら被害の実態と乖離している。
また、今回の改正案の要綱では、強姦罪の行為者及び被害者いずれも性差のないものにされている。それなのに、肛門性交や口淫行為を膣性交よりも被害の程度が軽いとすることは矛盾しているのではないか。

2 法定刑の引き上げについて

私たちは、これまで強姦罪の法定刑が性犯罪の深刻さを十分に反映してこなかったことに対して、その是正を求めているだけである。観念的な法律論だけで判断されるとしたら、被害当事者や支援者は強い違和感を抱かざるをえない。先述の山本さんは「加害者は刑務所に入るけれど、被害者は自由だと言われることもあります。でも、自由ではありません。人に脅え、物音に脅え、学校にも行けず、働くこともできず食事も食べられず、眠れなくなる。そういう被害者がたくさんいます。こういう甚大な被害を受けているのだから、法定刑は5年以上の有期懲役に引き上げてくださることを望みます」と述べている。

3 監護者による性侵害に対する処罰について

先述の山本潤さんは、父親からの性的虐待を受けることがどのようなことなのか、次のように語っている。「『話したらひどい目にあうよ』『家族がバラバラになるよ』と脅す加害者もいますが、私の加害者はそうではありませんでした。私に起こった事は、黙って入ってきて、黙って触られ、これから何が始まるのかも、何が起こっているかも、理解できない混乱する経験でした。怖い気持ちが強すぎて、私は抵抗することすらできませんでした」「強要されているという事は、選択の権利がないということです。私は彼を押しのけて、叩きのめして、家から追い出してやりたかった。でも、それはできなかった。(中略)些細な強要でも抵抗できなくさせることが、加害者には可能です。加害者の影響はすごく大きいと理解してほしいのです」 監護者による影響力とは、まさしくこのように大きく、被監護者の意思に反した性関係の強要を行うことはごく容易なことといえる。
ヒアリングに参加した1人であるSIAb.のけいこさんは自身の経験について次のように述べている(前掲のHPより。SIAb.は近親姦虐待の被害当事者(以下、当事者と略称)が主体となって、近親姦虐待被害に特化したピアサポートを、2013 年4 月の発足以来行っている)。「私は誰かが気づいて、助け出して欲しい気持ちと同時に、世間にバレることで、私や家族がその先どうなるかが不安で、怖くて誰にも言えなかったのです」「母は、自分が子供の時代に持てなかった、『家族』を作り上げ、必死で守ろうとしました。そのために、姉や私に『我慢して欲しい』と頭を下げました」「なぜみんな、苦しんでいるのに口を閉じたのでしょう?行く先が見えないからです。恥だからです」またSIAb.の参加者2人の例から「子どもは助けを求めたり、何らかのサインを発信していて、しかし、それをキャッチしたり、安全に介入できるような知識や経験のある人たちに繋がれなければ、見過ごされ、状態を悪化させ、あきらめてしまう」とも述べている。被監護者が監護者の影響力から逃れることがいかに困難であるかがわかる。
性的虐待の加害者は、暴力や脅迫によって被害者に加害行為をする場合もあるが、グルーミングと言われる優しく手なずけるような態度で接することも多い。加害者から「お前が可愛いからやるのだ」「誰でもこういうことをしている」と言われ、受けている行為の意味がわからない場合もある。拒否すると加害者が不機嫌になったり、他の家族に対して暴力をふるう場合に、加害者の機嫌を取ったり、他の家族を守るために、被害者が自ら性関係をもとうとする場合もある。こうした場合に一見「合意」の上で性関係が行われているように見えたとしても、決して「真の合意による性交」とは言えないのである。
法制審議会において、「家族や先生から嫌われたくなかったという、任意の意思に基づいている」「居場所を作るためにそういう関係に積極的に入っていくこともあり得る」などという例示がなされていたが、「嫌われたくないためには性関係に応じざるを得ない状況」や「そうまでして居場所を作らなければならなかった状況」があったということである。「性関係に応じなくても家族や先生に嫌われることはない」「性関係に応じなくても居場所はある」という状況でなければ「真の合意による性交」とは言えない。
監護者に対して被監護者が積極的に関係を迫って監護者が応じてしまった場合も罰せられるのかという議論もなされていたが、実際は被監護者が逆らえない状況であったとしても、「被監護者が積極的に関係を迫った」と主張する監護者は多く、支配関係の中で被監護者が積極的に関係を迫ったかのように見える行動を取らざるを得ない状況も現実にある。いずれにしても監護者との性関係によって被監護者は自分自身を性的な価値しかないと思わされて自己尊重感を損なわれてしまったり、安全で対等な対人関係を学習することができず、その後の人生に大きな困難を生じさせてしまうのである。このような現実において、監護者の行為が重大な人権侵害であり社会としても許されない行為であることを明確に示す意義は大きい。
「虐待の事案は理想的には親子の再統合に向かうべきもの」という発言もあるが、性虐待の事例では、加害親の元に戻った被害児童が再被害にあう確率は非常に高いというデータもあり、子どもの福祉・子どもの性的自由の保障を考えるのであれば、加害親を適正に処罰することによって被害児童を守ることが求められているのである。児童福祉法で処罰することで何が問題なのかというよりは、本来は刑法で裁いてほしいのに、それが困難であるので児童福祉法での処罰で対応せざるを得ないことが現実であるのだから、刑法で裁けるようになるのが当然といえる。
第178条の抗拒不能の要件で処罰が可能ではないかという意見もあるが、実際にはどれだけ抗拒不能であったのかを被害者が厳しく問われることが現実である。被害者が同意していなかったことに加害者が気づかなかったので準強姦罪が成立しないとして無罪判決が出されたゴルフ場経営者の例もある。私たちは、監護者による処罰規定だけでは対象が狭く、教師と生徒、上司と部下なども地位関係性を利用した性犯罪の類型に含めるべきであると考えている。

4 非親告罪化について

先述のけいこさんのヒアリング資料によると「非親告罪化は、潜在化する可能性のある近親姦虐待を公にし、被害者だけでなく、家族や加害者も、支援や治療などの社会資源につなげるきっかけになり、ひいては社会問題の改善や犯罪の原因を無くすことに繋がる」
被害者が加害者を処罰してほしいと警察に訴えても「証拠がない」「抵抗していない」「捜査・裁判は被害者にとって負担が大きい」など様々な理由によって事件化されない現実がある。本来は口頭で加害者への処罰の意思表明をすればすむはずなのに「告訴状を出してくれば捜査する」と言われる場合もあり、性犯罪を事件化することへの壁は厚い。警察が性犯罪の捜査を避ける手段として親告罪であることを利用している現実がある。
被害直後の被害者が混乱状態であるので、非親告罪化された場合に捜査や裁判への協力要請を拒否できず、刑事手続き上の苦痛を避けられないのではないかという意見もあったが、そのことは親告罪を維持する理由とはならないと考える。被害者の利益を守るためには、弁護士や性暴力被害者のためのワンストップセンターなどの支援員などが捜査の初期段階から支援に関わるシステムを強化したり、捜査・裁判関係者への更なる研修などによって、被害者の負担が大きくならないようにすることが重要である。

5 加害者への刑罰以外の対応について

法制審議会において、虐待事例では加害者も虐待の被害者であることも多く、加害者に対して刑事罰よりもカウンセリングや教育プログラムなどの重要性が述べられていた。山本潤さんは「自分の行為がどれほどの被害を与えているのかを理解する事は、加害者にとっても、大事なことだと私は考えています。私の父は児童虐待の被害者でした。だからと言って、彼が私に性加害をしていいという理由にはなりません。捕まえて、罪を問う必要があったと思います。その中で、彼も自分の傷つきや、自分の行動が何をもたらしたのか、気づくチャンスがあったかもしれません。まっとうな人間として生きられたかもしれません。そういうチャンスもなく、私は父を死ねと呪い続け、私たちは親子のつながりを失いました」と述べている。加害者が自らを加害者であると認めることが困難である現実があるので、適正な処罰とセットで実施することが不可避である。
以上

【賛同41団体】 性暴力と刑法を考える当事者の会/パープル・ユニオン/NPO法人男女平等参画推進みなと(GEM)/NPO法人博多ウィメンズカウンセリング/(有)フェミニストセラピィ”なかま”/性暴力を許さない女の会/セクシャルハラスメントと斗う労働組合ぱあぷる/ウィメンズカウンセリング京都/NPO法人アーシャ/すぺーすアライズ/地域支援ネット そよ風/NPO法人ひこばえ/NPO活動法人なら人権情報センター/AWS/北京JAC(世界女性会議ロビイングネットワーク)/NPO法人女性ネットSaya-Saya/ふぇみん婦人民主クラブ/認定NPO法人サバイバルネット・ライフ/認定NPO法人ウイメンズハウスとちぎ/NPO法人サンタピアップ/NPO法人全国女性シェルターネット/NPO法人スクール・セクシュアル・ハラスメント防止関東ネットワーク/NPO法人ハーティ仙台/NPO法人ホッとるーむふくやま/NPO法人アウンジャ/クオータ制の実現をめざす会/NPO法人フェミニストカウンセリング東京/NPO法人 女性の安全と健康のための支援教育センター/W・Sひょうご/女のサポートライン/NPO法人性暴力救援センター・東京/北海道ウイメンズ・ユニオン/NPO法人女のスペース・おん/(社)女性相談ネット埼玉/NPO法人フェミニストカウンセリング神戸/フェミニストカウンセリング堺/NPO法人女性サポート大阪/NPO法人アジア女性資料センター/女性と人権全国ネットワーク/NPO法人さんかくナビ/NPO法人スクール・セクシュアル・ハラスメント防止全国ネットワーク

【2016/06/29 18:41】 | 声明・提言
トラックバック(0) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。