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先日、法務省に提出してきました。
感触はなかなか厳しいですが、あきらめず現場の声を訴えていきたいです。

*****

2015年12月10日

法制審議会
刑事法(性犯罪関係)部会長
山口厚様

被害の実態に即した刑法強姦罪の見直しに向けた要望書

日頃から女性に対する暴力の根絶のためにご尽力いただきありがとうございます。
「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」は、被害者、支援者、弁護士、研究者など様々な立場から性暴力に関する包括的な法整備を求めて活動している全国組織です。
平成27年10月9日の法制審議会に刑法強姦罪の見直しが諮問され、11月2日に刑事法(性犯罪関係)部会の第1回会議、11月27日に第2回会議が開催されました。私たちは、100年以上改正されてこなかった刑法強姦罪の見直しの実現に向けて大きな期待を抱いてきました。しかし、法制審議会に諮問された内容は、必ずしも性犯罪・性暴力被害者、支援者の声を十分に反映したものとは言えません。
法制審議会で議論されるにあたりましては、性暴力被害の実態に即した視点を盛り込み、慎重に検討していただければと思います。つきましては刑法強姦罪の見直しの実現に向けて、下記のように要望いたします。

                      記

1 性暴力被害の実態に即した刑法強姦罪の見直しの議論を行うために、法制審議会の部会において全国の被害当事者や支援団体のヒアリングを行うこと

2 諮問において提案されていなかった以下の論点について、検討を行うこと。

① 強姦罪等における暴行・脅迫要件を緩和し、暴行・脅迫に威嚇、強制、不意打ち、偽計、威力などの要件を加えること

② 配偶者間における強姦罪が成立することを明示する規定を置くこと

③ 特に年少者が被害者である性犯罪について、(被害者が成人するなど)一定の期間は公訴時効が進行しないこととすること

④ 暴行・脅迫がなくても強姦罪等が成立する年齢を十五歳程度まで引き上げること

3 以下の論点については、諮問の内容にとどまらず更に幅広い見直しを行うこと

① 地位・関係性を利用して、従属的な立場にある者と性的行為を行う類型について新たな犯罪類型を設けること。その際の地位、関係性は、同居の親子関係などを含むことは当然として、指導的立場にある者、保護する責任のある者などについて、職場、教育機関、スポーツや芸術における指導関係、医療機関における地位・関係性など幅広く規定すること。また、被害者を十八歳未満に限定しないこと。さらに特に近親姦においては加重処罰すること (諮問要綱(骨子) 第三 関連)

4 以下の論点については、諮問の内容に沿って刑法強姦罪の見直しを実現すること

① 性犯罪を非親告罪とすること(諮問要綱(骨子) 第四 関連)

② 強姦罪等の行為者及び被害者のいずれについても性差のないものとし、肛門性交、口淫等の性交類似行為について強姦罪と同様の刑、あるいは、強制わいせつ罪より重い刑で処罰すること。 (諮問要綱(骨子) 第一、第二、第六、第七 関連)

③ 強姦罪の法定刑を強盗罪と同等もしくはそれ以上に引き上げること。特に被害者が年少者である場合に刑を加重すること (諮問要綱 第一、第二、第六、第七 関連)


【要望の詳細】
1 「性犯罪の罰則に関する検討会」(以下、検討会)では、第2回と第3回の2回にわたり、被害当事者や支援団体、研究者など12団体・個人へのヒアリングも行われたが、発言した被害当事者は見知らぬ相手や顔見知り程度の相手からの被害が中心であったと思われる。諮問要綱(骨子)第三に関連して、近親姦や職場や大学・学校における強姦セクハラ事件の被害当事者や支援者からのヒアリングを行うべきである。

2 ① 「検討会」の議事録によると、暴行・脅迫要件の撤廃については議論されていたが、要件の緩和(威嚇、強制、不意打ち、偽計、威力などの要件を加えるなど)については、ほとんど検討されていないように思われる。「検討会」の第6回資料「強姦罪における暴行・脅迫の程度に関する裁判例」(資料28)及び「準強姦罪・準強制わいせつ罪における抗拒不能に関する裁判例」(資料29)によれば、被害の状況が同じように思われる事件でも裁判官によって暴行・脅迫の有無、程度の認定の判断が分かれていることがわかる。例えば被害者と加害者の体格差や相手が複数であること、逃げ道をふさがれるなどにより、抵抗する気力を失ったりした場合について該当するような要件を威嚇、強制、不意打ち、偽計、威力などによって示すことで、裁判官の性暴力被害についての理解の程度に関わらず、一定の判決が出されることを保障すべきである。また、被害者が合意していた、抵抗できない状況ではなかったなどと加害者が誤信していたと判断されるとすべて無罪になってしまうことは、性暴力被害当事者の心情に即して到底受け入れがたいことであり、例えば若干、量刑を軽減するなど、そういった場合も有罪と認められるようにすることも検討していただきたい。

② 平成27年4月に公表された内閣府の「男女間の暴力に関する調査」によれば、配偶者からの性的強要の経験があるのは女性の7.1%、「異性から無理矢理性交された経験がある」被害者のうち加害者が配偶者・元配偶者の割合は19.7%を占める。しかし、配偶者からの強姦被害を警察に訴えるケースはほとんどない。また、配偶者からの強かんによって望まなしい妊娠や人工妊娠中絶を繰り返したり、人工妊娠中絶を希望しても夫の同意書がなければ人工妊娠中絶手術を受けられず、止むを得ず出産して夫の暴力から逃げるのが更に困難になる場合も少なくない。配偶者からの強かんが刑法強姦罪で処罰されるものであると規定することによって、被害の潜在化を防ぎ、望まない妊娠や中絶・出産を繰り返さないことが必要である。

③ 「検討会」の議論では、証拠の散逸や記憶の変容などの理由で正しい裁判自体ができないなど、公訴時効の撤廃や公訴時効期間の進行の停止について消極的な意見が多数であったとのことである。しかし、「諸外国においても,年少者が被害者である場合に公訴時効を停止する法制を採っている国が複数存在する」「子供に対する性虐待・性暴力事犯は非常に重大な犯罪であり,子供に対してそのような被害を負わせた者は期間が経過したからといっても許されるものではないということを社会にメッセージとして示す必要がある」という意見も出されている。この点は極めて重要であり、是非、被害当事者や支援者のヒアリングを行って、特に年少者が被害者である場合に、少なくとも被害者が成人するまで公訴時効を停止することについて、検討していただきたい。

④ ①にも関連するが、暴行・脅迫要件の適用において、被害者の年齢は重要である。14歳の中学生が大人と同様に、状況判断して拒否したり逃げたりすることができなくても不思議ではない。暴行・脅迫要件が適用されない年齢について、現在の13歳未満という規定は低すぎるので、少なくとも15歳程度に引き上げることが現実的である。

3 2の①に関連するが、地位・関係性を利用することによって暴行・脅迫を用いなくても抵抗できない状況にある場合を、諮問の要綱(骨子)にある「十八歳未満に対する現に監護する者であることによる影響力を利用して」という規定ではあまりにも範囲が限定される。「検討会」では、職場、教育機関、スポーツや芸術における指導関係、医療機関など指導的立場にある者、保護する責任のある者などからの被害について十分に検討されたとは言えない。今回、これらの被害当事者、支援者からのヒアリングを行い、地位・関係性の定義や範囲について、慎重に議論すべきである。

4 ① 非親告罪化に賛成する。また、非親告罪化に伴い、これまで以上に捜査手続きにおける被害者の心情に配慮した対応が必要である。
  
  ② 諮問の要綱(骨子)の第一などにあるように、被害者を女子と限定せず「者」「人」などと記し、肛門性交やいわゆる口淫行為、及び挿入する行為だけでなく、挿入させる行為も含んだ規定にすることに賛成する。男性の被害者も多く、自分が被害者であることを受け入れることが女性以上に困難であるために、より支援につながりにくく、自殺の傾向も高いと言われることから、性に中立的な見直し案は重要である。また、男性、女性と限定されず、トランスジェンダーの被害者も対象になるので、実態に即していると思われる。肛門性交やいわゆる口淫行為が被害者にとって深刻なトラウマ反応が出ることもあるので、膣性交と同様の罪にすることに賛成する。「挿入させる行為」は自分が被害者ではなく共犯者であるととらえてしまう傾向もあることからより被害申告が難しいこともあるので、明文化することで被害の潜在化を防ぐことにつながると思われる。

③ 諮問の要綱(骨子)の第一などにあるように、法定刑の下限を引き上げることに賛成する。被害者にとって加害者が実刑になるかどうかで心理的な安心感が違ってくる。執行猶予にならないようにすることが必要である。


以上




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【2015/12/16 22:37】 | 声明・提言
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皆さま

12月10日まで「第3次犯罪被害者等基本計画」のパブコメが行われています。

内 閣府
「第3次犯罪被害者等基本計画案骨子」に対する意見募集について
http://www8.cao.go.jp/hanzai/kou-kei/event/iken/h27/bosyu.html
意見募集期間:平成27年11月19日(木)から平成27年12 月10日(木)まで

これは来年から5年間の犯罪被害者に関わる施策の基本になりますので
「もっとこんなことをしてくれたらいいのに」
「なんでこういうことをしてくれないだろう」
などと思うことを要望することで、実現するかもしれません。

意見を送る場合は上記のHPから骨子案をダウンロードし、
「募集フォーム」からメールで送ることもできますし、
専用の用紙をダウンロードしてFAXまたは郵送することもできます。

要望の例として以下にいくつか挙げています。
十分に検討した内容とは言えませんのであくまでご参考になればと思います。
必要な施策は多岐にわたり、もっともっとあると思いますので、思いつくだけ送っていただけたらと思います。

○第1 1 損害賠償の請求についての援助等
・日本司法支援センターによる支援について、性暴力救援センター・ワンストップ支援センターと連携して、
性暴力被害者支援のための弁護士によるサービスの向上を行うこと。
・弁護士との打ち合わせ等にカウンセラー、支援員等が同席する制度について周知すること。
・加害者の損害賠償責任の実現のために国による建て替え制度を検討してほしい。

○第1 2 給付金の支給に係る制度の充実等
・性犯罪被害者の医療費の負担軽減について全国的に同水準で行うこと。
(例えば性感染症の検査を潜伏期間の関係で期間をおいて実施する場合にも負担すること。)
・警察に被害届を出す意思を示したことだけで医療費を負担すること。
(例えば立件の可能性が低いということで負担してもらえないことがないようにしてほしい。)
・精神科の医療費の負担軽減策を拡充すること。

○第1 3 居住の安定
・公営住宅の優先入居等について、被害地から転居した場合に管轄の警察署が代わっても制度が利用できるようにすること。
・被害直後にホテルなどの宿泊費を数日間、支給する制度を全国的に広げること。
・被害によって転居せざるを得ない場合に引っ越し費用を補助すること。

○第1 4 雇用の安定
・セクハラ労災の周知を行い、適正な認定を行うこと。

○第2 1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供
・性暴力被害者が人工妊娠中絶をする際に配偶者からの同意書が必要ないようにすること。
・PTSDの診断、治療、相談を行える医療機関、相談機関が増えるようにすること。
・PTSDの専門家の研修に地方から参加する場合の交通費を補助する等地域格差をなくすこと。
・性犯罪被害者支援専門看護師の行える業務を広げるように法整備をすること。
・性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターの設置を各都道府県に一か所など数値目標を挙げて推進すること。
・性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターの設置根拠となる法律を作ること。
・性犯罪被害者支援に関する専門的な知識・技能を有する専門においてジェンダー平等の視点を持った養成を行うこと。
・法科大学院における教育において性犯罪被害者等への理解を向上するためにジェンダー平等の視点を持ったカリキュラムを導入すること。

○第2 2 安全の確保
・性犯罪被害者の住所・氏名は特別の必要性がある場合以外は被告人弁護人にのみ知らせて被告人には知らせないようにすること。
・性犯罪被害者の安全を脅かす行為をした被告人弁護人に対する罰則規定を検討すること。
・探偵業務においてDV・ストーカー被害者の所在を加害者に知らせてはいけないということを徹底すること。

○第2 3 保護、捜査、公判等の過程における配慮等
・職員等に対する研修において、被害当事者・支援者の講演や、事例を通したグループワークの活用など実効性のある内容を実施すること。
・女性警察官の数はまだ足りないのでさらに増やしてほしい。
・被害児童からの事情聴取においては、関係機関の職員が「司法面接」の研修を地域格差なく受けられるようにすること。
・障がいを持った被害者からの事情聴取においても配慮すること。
・「司法面接」において録音録画された記録を公判で証拠として活用できるような法制度整備を行うこと。

○第3 1刑事に関する手続きへの参加の機会を拡充するための制度の整備等
・医療機関で性犯罪被害者からの証拠採取等が促進されるように周知する他、保管した証拠が公判で証拠能力を持つような仕組みを整備すること。
・事件直後から弁護士や支援者等が被害者の同行支援を行うことを制度化すること。
・被害の様子を盗撮したビデオなどは被告人から没収すること。

○第4 1 相談及び情報の提供等
・性暴力救援センター・ワンストップ支援センターの設置・運営に対する費用負担を制度化すること。
・性犯罪被害にあった児童への対応が十分できるようにスクールカウンセラーへのジェンダー平等の視点に立った研修を行うこと
・性暴力救援センター・ワンストップ支援センターにおけるコーディネーターの養成を行うこと
・警察と性暴力救援センター・ワンストップ支援センターの連携・協力を推進すること
・警察の性犯罪被害者対応の相談電話に女性が必ず出られるようにすること
・性暴力救援センター・ワンストップ支援センターの情報についてすぐに情報が入手できるようにインターネットなどでの周知を推進すること
・性暴力被害者の自助グループの活動のために会場を提供するなどの支援を行うこと

○第4 2 調査研究等
・性暴力被害者への二次被害に配慮した詳細で広範囲な実態調査を行うこと

○第4 3 民間の団体に対する援助
・性暴力救援センター・ワンストップ支援センター及び被害者支援団体の人件費や運営費用等への継続的な資金援助を行うこと
・性暴力救援センター・ワンストップ支援センターと警察や関係機関等の間での情報共有について促進できるようにすること

○第5 国民の理解の増進
・若年からの人権教育・性教育の中で性暴力の加害者にも被害者にもならないための教育を推進すること

以上です。

締切りが迫っていますので、どうぞお早めに送ってください!


「私たちの求める性暴力禁止法を!」
全国縦断ワークショップのお知らせ


第5 弾 京都会場
日時:12月23日(祝) 14:00~17:00 
会場:ウィメンズカウンセリング京都(定員40名)
テーマ:私たちの求める性暴力被害者支援法とは   
講師: 赤坂浩子(性暴力を許さない女の会)
   周藤由美子
(京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター 京都SARA 
  吉田容子(弁護士)
参加費:無料
申し込み:kyotows1223@yahoo.co.jp まで
運営協力:ウィメンズカウンセリング京都


【ワークショップの内容】
性暴力を許さない女の会は、性暴力被害者支援と性暴力についての社会啓発を二本柱に、大阪で活動している市民グループです。1988年11月に地下鉄御堂筋の電車内で二人組の痴漢に注意した女性が逆恨みされて強姦された事件をきっかけに設立され、矢野暢元京大教授や元大阪府知事横山ノックのセクハラ裁判の被害者支援なども行ってきました。昨年から今年にかけて、設立25周年記念として「性暴力サバイバーの回復を考える」連続公開講座を開催されました。その中で、京大矢野事件の被害者甲野乙子さんも「サバイバーが語る『回復』」というテーマで講演されています。今回のワークショップでは、同会の赤坂浩子さんから、性暴力被害者の「回復」を可能とする社会をつくるためには、どのようなことが必要なのかという提起をしていただきます。
 
全国で性暴力救援センター、ワンストップ支援センターが続々開設されていますが、関西では2010年に性暴力救援センター大阪・SACHICO、2013年に性暴力被害者支援センター・ひょうご(当初は神戸)、性暴力救援センター和歌山(わかやまmine)、2014年に性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖(SATOCO)などが設立されました。そして、今年8月に京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター(京都SARA)が開設されました。設置・運営が民間か行政か、病院拠点型かネットワーク型かなど様々な形態のセンターが存在する中で、共通して求められているのは、設置・運営の資金面での裏付けとそれを実現するための根拠法でしょう。今回は開設したばかりの京都SARAの活動経緯を紹介し、性暴力被害者支援法にどのような内容を盛り込む必要があるのかを考えます。

 11月8日には「全国シェルターシンポジウム2015in沖縄」の議員フォーラムにおいて、すでに公表されている民主党の「性犯罪等被害者支援法(仮称)骨子(案)」と共に、社民党から「性暴力被害者の支援等に関する法律案(骨子試案イメージ)の概要」が提案されました。いよいよ法案について具体的に検討する段階になったと言えます。ワークショップでは吉田容子さんに弁護士の立場から、私たちが求める性暴力被害者支援法について提起していただく予定です。

 3名の課題提起の後、参加者の皆さんとディスカッションする時間をもちたいと思っています。

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