2017年7月1日 性暴力禁止法をつくろうネットワーク・シンポジウム    
子どもへの性暴力と刑法改正―これでいいのか?今後の課題― 報告


大変遅くなりましたが、シンポジウムの報告です。

2017年6月の国会で刑法性犯罪の110年ぶりの大幅改正が実現した。7月1日に文京区男女平等センターでWAN基金の助成事業として開催したシンポジウムでは、60名近くの参加があり、特に子どもへの性暴力に注目して刑法改正をどのようにとらえたらいいのか考える場になった。

東小雪さんのお話 
LGBTアクティビストで性虐待当事者である東さんは、ご自分の実父からの被害について語ってくださった。ふだん他のテーマで話すときにはもっとスラスラ言葉が出てくるのに、性虐待の体験について語ろうとすると言葉が出てこなくなってしまう、と話されたことが印象に残った。性虐待の深刻な影響が様々起こる中で、被害児が被害を否認するということも多く、すぐに被害を訴えることが難しいことを改めて訴えられた。今回の改正のポイントとして性別が問われなくなったことは大きいが、暴行・脅迫要件が残ったこと、監護者に兄、祖父などが含まれなかったことなど問題点も大きいと指摘された。また、「被害に遭った人はなにも悪くない」「必ず元気になって生きることができる」などの力強いメッセージも伝えられた。アンケートでも、性虐待は客観的な証拠が残らないように行われることも多く、改正された法でも性虐待の被害者が実質的に救われるとは思えないという感想もあった。参加者には東さんの話を聞きたくて参加されたという被害当事者の方もいて、今回の刑法改正までにこうした当事者(強姦)の名のり出ることによって気運ができたと思う。性暴力被害者がもっと名のり出られる社会をつくらなければならないという声も多かった。

周藤由美子の話
 京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター京都SARAの活動から、性暴力被害を刑事事件化する際のハードルの高さなどを報告し、刑法が改正されてどのような効果があるかについては限定的ではないかという指摘を行った。付帯決議で提案されている実態調査やそれに基づく研修などの実現や3年後の見直しに向けて働きかけていくことを提案した。質疑応答では、男性被害者に対応する支援者のジェンダーについての質問もあり、今後の課題と思われた。

谷田川知恵さんのお話 
ジェンダー法研究者の谷田川さんは、刑法改正の全体的評価として、表面的であり、本質的ではないと指摘。1970年代からの欧米で強姦法が改革されたのとは異なり、世界の潮流から40年遅れた今回の改正の根底に平等実現・差別撤廃への意思はうかがえない。それができなかったのは、立法・司法関係者が強姦罪に潜む差別・実質的不平等を認めていないからである。今回の改正によって、むしろ性別中立化による形式的平等実現で、「もはや差別はない」となるおそれもあるということだった。アンケートでも、モヤモヤしていたことを明確にしていただいた。ジェンダーの視点、本質がわかってもらえるよう働きかけることが本当に大切だと思いました、などの感想があった。

シンポジウムは、性暴力禁止法をつくろうネットワーク共同代表の戒能民江のコーディネイトにより、パネリストの発言と共に質疑応答の時間もたくさんとられ、今回の改正のポイントや今後の課題などについてよく理解できたという感想も多かった。引き続き“子どもへの性暴力”をテーマに刑法改正の課題について取り上げてほしいという要望も多く、ネットワークでは、今後も刑法性犯罪改正、性暴力被害者支援法の実現に向けて引き続き学習会・シンポジウムなどの開催を企画する予定である。
2017年7月1日 性暴力禁止法をつくろうネットワーク・シンポジウム    
子どもへの性暴力と刑法改正―これでいいのか?今後の課題― 報告


大変遅くなりましたがシンポジウムの報告です。

2017年6月の国会で刑法性犯罪の110年ぶりの大幅改正が実現した。7月1日に文京区男女平等センターでWAN基金の助成事業として開催したシンポジウムでは、60名近くの参加があり、特に子どもへの性暴力に注目して刑法改正をどのようにとらえたらいいのか考える場になった。

東小雪さんのお話 
LGBTアクティビストで性虐待当事者である東さんは、ご自分の実父からの被害について語ってくださった。ふだん他のテーマで話すときにはもっとスラスラ言葉が出てくるのに、性虐待の体験について語ろうとすると言葉が出てこなくなってしまう、と話されたことが印象に残った。性虐待の深刻な影響が様々起こる中で、被害児が被害を否認するということも多く、すぐに被害を訴えることが難しいことを改めて訴えられた。今回の改正のポイントとして性別が問われなくなったことは大きいが、暴行・脅迫要件が残ったこと、監護者に兄、祖父などが含まれなかったことなど問題点も大きいと指摘された。また、「被害に遭った人はなにも悪くない」「必ず元気になって生きることができる」などの力強いメッセージも伝えられた。アンケートでも、性虐待は客観的な証拠が残らないように行われることも多く、改正された法でも性虐待の被害者が実質的に救われるとは思えないという感想もあった。参加者には東さんの話を聞きたくて参加されたという被害当事者の方もいて、今回の刑法改正までにこうした当事者(強姦)の名のり出ることによって気運ができたと思う。性暴力被害者がもっと名のり出られる社会をつくらなければならないという声も多かった。

周藤由美子の話
 京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター京都SARAの活動から、性暴力被害を刑事事件化する際のハードルの高さなどを報告し、刑法が改正されてどのような効果があるかについては限定的ではないかという指摘を行った。付帯決議で提案されている実態調査やそれに基づく研修などの実現や3年後の見直しに向けて働きかけていくことを提案した。質疑応答では、男性被害者に対応する支援者のジェンダーについての質問もあり、今後の課題と思われた。

谷田川知恵さんのお話 
ジェンダー法研究者の谷田川さんは、刑法改正の全体的評価として、表面的であり、本質的ではないと指摘。1970年代からの欧米で強姦法が改革されたのとは異なり、世界の潮流から40年遅れた今回の改正の根底に平等実現・差別撤廃への意思はうかがえない。それができなかったのは、立法・司法関係者が強姦罪に潜む差別・実質的不平等を認めていないからである。今回の改正によって、むしろ性別中立化による形式的平等実現で、「もはや差別はない」となるおそれもあるということだった。アンケートでも、モヤモヤしていたことを明確にしていただいた。ジェンダーの視点、本質がわかってもらえるよう働きかけることが本当に大切だと思いました、などの感想があった。

シンポジウムは、性暴力禁止法をつくろうネットワーク共同代表の戒能民江のコーディネイトにより、パネリストの発言と共に質疑応答の時間もたくさんとられ、今回の改正のポイントや今後の課題などについてよく理解できたという感想も多かった。引き続き“子どもへの性暴力”をテーマに刑法改正の課題について取り上げてほしいという要望も多く、ネットワークでは、今後も刑法性犯罪改正、性暴力被害者支援法の実現に向けて引き続き学習会・シンポジウムなどの開催を企画する予定である。


追記を閉じる▲
スポンサーサイト